重奏のしらべ-キャンパスに漂うリズムの再編-
本大学キャンパスは空地に対して新しい建物を配置し、再び空地を作るというようにして総合設計制度による空地率の確保に基づきながら更新されている。しかしながら、その循環によって生まれる空地や新しい建物たちは、それぞれに完結したものとなっており、本来計画されていたキャンパス計画との齟齬が生じている現状がある。
本提案は、実験施設の移築が困難であることから改修の選択を余儀なくされた、長さ135mに及ぶ長大な既存建物を建築学科棟へとリノベーションする計画である。キャンパスの循環という時間軸の中に既存の建物を位置付けながら空地やキャンパス全体との関係性を考えることで、地域と大学、人と人、人と知、そして過去と未来の媒介となる建築を目指す。減築と増築によって建物が本来持つポテンシャルを最大化し、ただ壊して作り直すのではない、これからの大学建築の在り方を提案し、その可能性を模索する。
ここでは減築と構造補強を選択。
減築によって建物の軽量化・小規模化を図り、またそれによって生まれた空地をキャンパスの循環の中に位置づけていくことで、従来の空地とは違う建築と関係性を持ったランドスケープが生まれていく。また、建物の長寿命化を図るための構造補強によって既存建物のポテンシャルが引き出され、建物を取り巻く環境やプログラムが更新されていく。
共同制作者
構法計画(門脇)研究室
大川珠瑞季(B4)、菊地裕基(B4)、小本佑花子(B4)、廣田裕二(B4)
受賞
学生 建築ストック再生コンテスト 佳作
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