mip

 椅子を設計し、施工までを自らの手で行うプロジェクト「mip」。

 自主施工という制約から扱う部材と接合部の数が抑えられ、それに従うように変形するエレメントによって椅子が構築されていく。背もたれは施工時の誤差調節のために無数の穴が穿たれ、面材を支えるための線材は地にしっかりと根を張るために直角に変形した。線材が貫通し、体の重心を誘導するために奇妙に角が削られた座面としての板材が最後に与えられて椅子となる。

 既成概念としての椅子からの脱臼を図った一作。

RYOTA SUZUKI