kasane (portfolio 2019-)
学部4年次の卒業設計以降の制作物をまとめた記録媒体。
制作物を直接見せることが叶わないために、図面やパース、ときにダイヤグラムなどの表記法を用いて説明することが、大きな役割だと考えます。
そういった書籍型の制作で悩ましいのは、ある判型一枚の中に異なる表記法を共存させる作業の中で、どうしても取捨選択や比重調整を行わなくてはならないことです。
しかし、これは出版物でも課題でもないのだから、予算や手間など気にせずに、「レイアウト」をもっと柔軟に解釈できるのではないかと考え始めたのが「kasane」の始まりです。
表記法ごとに紙と判型と配置のデザインルールを定め、図面は図面として、パースはパースとしてより良く在ることを目指し、それらがただ重ねられた状態で、とある制作物を説明できる構成を取ります。それぞれの表記法は一つのグラフィックとしての自律性が保たれた状態であるため、制作物ごとのまとまりを感じながら読み進めても、パラパラと流しても、見方によって多様に受け取れるのではと考えました。
製本にはダブルループではなく、バインダー用金具を用いました。アドホックとはいえ、一応の完成を見ることになるダブルループではなく、新しく追加したければ追加し、気に入らなければ取り外せるバインダー金具の方がなにかと便利に思えたからです。(とはいえ、学生最後の制作物がこれなので、拡張性は見込めませんが)
最後に表紙という制作物のお話。表紙は読み手と僕とのインターフェースだと思っていて、本の内容につながるだけでなく、僕という人間に繋がってもらいたい意図を込めました。A4・30穴は世の中のごくごく普遍的な規格であることから対応する商品の裾野は広く、名刺ホルダーにHPのQRコードを印刷した自分の名刺を詰め込んで表紙としました。
こうして重ねられた制作物の束を、一旦はポートフォリオと呼んでいます。
表紙
プロフィール/目次
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